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Debt consolidation

2026/02/14

支払いができない状況で、自宅を残す方法はありますか。

借金の整理を検討される方にとって、自宅をどうできるのかは最も重要な問題の一つです。

原則として、自己破産を選択した場合、自宅は処分対象となります。しかし、状況によっては自宅を維持できる可能性もあります。

大きく分けると、次の二つの場面があります。

  1. 個人再生を利用できる場合

  2. 住宅ローンを除く債務が5000万円を超え、個人再生を利用できない場合

それぞれについて説明します。

1 個人再生を利用できる場合

自宅を維持するための制度として、住宅資金特別条項付き個人再生があります。

この制度を利用すると、

・住宅ローンは従来どおり支払いを継続し
・住宅ローン以外の借金を大幅に減額する

ことが可能になります。

その結果、自宅の所有権を維持したまま、他の債務を整理することができます。

 

利用できる主な要件

個人再生を利用するためには、いくつかの法的要件を満たす必要があります。

とくに重要なのは、住宅ローンを除いた債務総額が5000万円以下であることです。

事業債務や保証債務などが多額に及び、住宅ローンを除く借金が5000万円を超えている場合には、個人再生は利用できません。

また、継続的な収入(給料、事業収入、年金など)があることも必要です。再生計画に基づき返済を続けられる見込みがなければ、認可は得られません。

 

補足:不動産の評価と住宅ローン残高の関係

個人再生で自宅を維持できる場合であっても、注意すべき点があります。

一般に、住宅資金特別条項が実質的に機能しやすいのは、

・自宅の時価と住宅ローン残高が同程度である場合
・いわゆるオーバーローンの状態にある場合

です。

これに対し、

・住宅ローンがすでに完済している場合
・住宅ローンの返済が相当程度進んでいる場合

には、自宅の時価と住宅ローン残高との差額、すなわち実質的な資産価値部分が問題になります。

個人再生では清算価値保障原則により、保有財産の価値を下回る弁済計画は認められません。そのため、不動産の時価が高く、ローン残高が少ない場合には、その差額が弁済額の目安となり、支払総額が高額になるケースがあります。

加えて、昨今はとくに大阪中心部のマンション価格が上昇傾向にあります。その結果、評価額の上昇により住宅ローン残高との乖離が生じ、想定以上に清算価値が高く評価されることもあります。

制度上は利用可能であっても、現実的な返済計画が組めるかどうかについては慎重な検討が必要です。

2 住宅ローンを除く債務が5000万円を超える場合

住宅ローンを除いた借金が5000万円を超える場合、個人再生は利用できません。

この場合、法的整理としては自己破産を選択することになります。自己破産では、自宅は処分対象です。

もっとも、所有権を維持することはできなくても、結果として住み続ける形をとれる場合があります。

 

(1)親族に時価で買い取ってもらう方法

親族や身内に、適正な市場価格で自宅を買い取ってもらう方法です。

その際は、

・不動産業者の査定を取得する
・相場に沿った価格で売買契約を締結する
・資金の流れを明確にする

といった点が重要になります。

著しく低い価格での売却は、破産手続において否認の対象となる可能性があります。適正価格で透明性のある取引であることが必要です。

なお、親族間売買で買主が住宅ローンを利用する場合、実務上、メガバンク、地方銀行、信用金庫などの金融機関は慎重であり、融資を断られるケースが少なくありません。取引の特殊性から、通常の住宅ローン審査が通りにくいのが実情です。

そのため、場合によってはノンバンク等の利用を検討する必要が生じることもあります。資金調達の可否も含め、事前の検討が不可欠です。

 

(2)リースバック

リースバックとは、自宅を第三者に売却し、その後は賃貸借契約を結んで住み続ける仕組みです。

所有権は失われますが、住環境を維持できる可能性があります。

もっとも、リースバックの場合も、売却価格は時価相当額であることが求められます。

相場より著しく低い価格で処理した場合には、破産手続において否認の対象となる可能性があります。

さらに、近時は、リースバックによる廉価処分性について裁判所が厳しく判断する傾向がみられます。
実質的に不当に低額で処分されたと評価されれば、問題となる可能性があります。

そのため、

・売却価格の妥当性
・査定資料の整備
・契約条件の相当性

について慎重な検討が必要です。

リースバックを検討する場合には、必ず事前に弁護士へ相談することが不可欠です。

3 不動産処分は必ず事前に相談を

破産申立て前後の不動産処分は、破産管財人による厳格な確認の対象となります。

価格や時期、資金の流れに不自然な点があれば、否認の対象となる可能性があります。また、免責判断に影響することもあります。

そのため、

・親族への売却
・リースバック契約の締結

いずれの場合であっても、独断で進めるべきではありません。

適法性を確保するためにも、必ず弁護士に相談したうえで進めることが必要です。

まとめ

自宅を残せるかどうかは、

・個人再生を利用できるかどうか
・利用できる場合でも、不動産評価とローン残高の関係
・利用できない場合の売却スキームの適法性

によって大きく左右されます。

自宅の問題は生活再建の基盤に関わる重大な事項です。個別事情に応じた検討が不可欠ですので、具体的な見通しについては専門家にご相談ください。

 
 

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