自己破産をする場合,自宅を所有してれば,自宅を処分されてしまい,引っ越しをしないといけないということになります。
ただ,自宅が処分されることは仕方がないが,子供の学校区や住み慣れた家,地域等の理由から,可能であれば,引っ越しをしないで,家賃を支払ってもよいので,今の家に住み続けたいというニーズも少なからずあります。
このような場合,自宅を任意売却した後,買い取った買い主から,賃貸借契約という形で自宅を借りて,家賃を支払う形で住まわせてもらうという方法が考えられます。これをリースバックといいます。
リースバックを受ける際,①誰に買い取ってもらうか,②任意売却の売買代金の相当性,③実際のお金のやり取りの3点が重要になります。
①については,親族や友人,知人に協力してもらうか,不動産業者に買い取ってもらうかを検討することになります。
親族等に買い取ってもらう場合,②任意売却の売買代金が相当でなければいけませんし,③実際のお金のやり取りができるかも検討する必要があります。
特に,③について,親族等が購入するケースで,お金の出所がはっきりしない場合,例えば,親族等の銀行口座からではなく,手元の現金で出したという場合,実際に買い取った親族の方がお金を出しているのか分からないため,お金の授受に疑義を持たれてしまいます。
③について,親族等が購入するケースで,住宅ローンを組むのであれば,親族間売買でローンが組みにくい点を検討しておく必要もあります。
次に,不動産業者に買い取ってもらう場合,③のお金のやり取りは問題がないと思われますが,②の売買代金の相当性については注意をしないといけません。
また,実際に,任意売却した後,賃貸借契約を結ぶことになりますが,毎月の賃料をいくらに設定しておくかも事前に相談をしておき,破産後の収支で,支払いができるのかをシミュレーションしておく必要があります。
リースバックについては,ニーズが少なからずありますが,特に,不動産業者買取りの方法で,売買代金や,毎月の賃料の折り合いが付かなくて,できないとというケースもあり得ますが,ご希望がありましたら,その旨,ご相談頂きましたら,検討させて頂きます。