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会社をたたむべきか迷ったとき、最初に考えてほしい3つのこと

はじめに

ある日、一本の電話がかかってきました。

売上はまだ立っている。取引先も減っていない。社員もいる。 それでも、声のトーンは明らかに疲れ切っていました。

先生、会社…もう無理なんでしょうか

詳しく話を聞くと、決定的な赤字が出ているわけでもなく、資金繰りも“今月すぐ倒れる”状態ではありません。

それでも、

・毎月の返済が怖い ・将来が全く見えない ・眠れない ・家族に心配をかけたくない

そんな状態が1年以上続いていました。

この相談、実は珍しくありません。

そして多くの場合、経営者ご本人はこう言います。

もう限界です。たたんだ方がいいですよね

ただ、冷静に整理すると、

本当に会社が限界なのか それとも、経営者本人が限界なのか

ここがまだ整理できていないケースが非常に多いのです。

そこで今回は、実際の相談現場で私が必ず確認する

会社をたたむかどうか迷ったとき、最初に考えてほしい3つのこと

をお伝えします。

もし今、この記事を読んでいるあなたが、

・夜中に資金繰り表を見てため息をついている ・誰にも弱音を吐けていない ・頭のどこかに廃業の二文字が浮かび始めている

そんな状態であれば、きっと重なる部分があるはずです。

1. 会社が苦しいのか、自分が苦しいのか

先ほどの経営者の方に、私は最初にこう尋ねました。

会社そのものと、ご自身の状態、どちらが一番つらいですか?

少し沈黙があり、こう返ってきました。

……正直、自分です

話を整理すると、

・売上は横ばい ・赤字ではない ・資金繰りも何とか回っている

一方で、

・借入の返済プレッシャー ・休めない生活 ・将来の不安

これが積み重なり、心身が先に悲鳴を上げていたのです。

このタイプの経営者はとても多いです。

会社よりも先に、 経営者自身の体力・気力・判断力が削られている

この状態で会社がもうダメだと結論づけてしまうと、 本来なら回避できた廃業を選んでしまうこともあります。

実務では、次のような対処だけで状況が大きく変わるケースもあります。

・返済条件の変更 ・リスケジュール ・役員報酬の調整 ・業務量の縮小 ・外注化

会社をたたむかどうかを考える前に、まずはこう問いかけてください。

今いちばん追い込まれているのは、会社か、自分か

この切り分けが、最初の分岐点になります。

2. 3年後の自分を想像できるか

次に、その経営者の方にこう聞きました。

この会社を続けて、3年後のご自身を想像できますか?

しばらく考えたあと、こう答えられました。

……正直、良くなっているイメージが全く出てきません

これはとても重要な感覚です。

・借入は減っているのか ・売上は伸びているのか ・年齢はいくつになっているか ・体力は残っているか ・家族との関係はどうなっているか

紙に書き出すほどでなくても構いません。

具体的な未来像が描けるかどうか

もし、

今よりしんどくなっている気しかしない

という感覚しか出てこないなら、それは重要なサインです。

逆に、

この案件が終われば この借入を超えれば

と、現実的な改善ルートが見えているなら、 続ける選択は十分に合理的です。

経営判断は、

根性でも楽観でもなく、 将来の解像度で決めるものです。

3. たたんだ後の人生を、現実的に計算しているか

多くの方が、心のどこかでこう期待します。

会社をたためば、少し楽になるかもしれない

これは半分は正しく、半分は危険です。

確かに、

・資金繰り ・取引先対応 ・従業員への責任

こうした重圧からは解放されます。

しかし同時に、次の現実が始まります。

・借入金はどうなるのか ・連帯保証は残るのか ・生活費はどう確保するのか ・再就職できるのか ・年齢と経歴は市場で通用するのか

ここを考えずに廃業すると、

会社を失う + 生活の基盤を失う

という二重のダメージになることがあります。

一方で、

・債務整理 ・保証債務の整理 ・生活再建の見通し

まで含めて設計できれば、 廃業は失敗ではなく再スタートになります。

会社の終わり方は、そのまま人生の設計図です。

おわりに

先ほどの経営者の方は、最終的にすぐ廃業する選択はしませんでした。

返済条件を見直し、事業規模を縮小し、まず倒れない状態を作る。

その上で、

・続けるのか ・別の形にするのか ・やめるのか

を改めて考える、という結論になりました。

会社を続けるか、たたむか。

この選択に正解はありません。

ただ一つ言えるのは、

追い込まれ切ってから決めるより、選択肢があるうちに考えた方が、結果は穏やかになる

ということです。

もし今、この記事のどこかに自分の話だと感じる部分があったなら、 それは十分に立ち止まって整理するタイミングです。

数字のこと、借入のこと、保証のこと、家族の生活のこと。 頭では分かっていても、感情が追いつかず、判断が止まってしまうのは自然なことです。

そうしたとき、状況に精通し、実務として手助けができる専門家、弁護士という存在があります。

大げさな決断をする必要はありません。 ほんの少し勇気を出して、話をしてみるだけでも、見える景色が変わることがあります。

相談したからといって、すぐに何かを決めなければならないわけでもありません。

選択肢を知ること自体が、経営者にとって大きな武器になります。

弁護士 川端元樹

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