営業譲渡,事業再生はどうしたらいいでしょうか?

 営業譲渡,事業再生について,例えば,法人で,複数の業種を経営している場合や,複数の店舗を経営している場合,採算の合う業種,店舗のみを譲渡してから,残っている業種,店舗を閉鎖してから,破産をするという方法が考えられます

 この場合,譲渡先の法人として,取引先等の既存法人への譲渡,新法人を設立して新法人への譲渡が考えられます。

 譲渡先をいずれのタイプにするとしても,価値のある事業を無償で譲渡することは債権者を害する行為になるため,認められません。

 そのため,①商品,什器備品類,機械工具類の譲渡,②事務所,倉庫等の賃貸借契約の契約者名義の切り替え,③営業権の譲渡という3点のポイントをクリアしないといけません。

 まず,①商品,什器備品類,機械工具類の譲渡を行う場合,中古品の買取業者等へ見積もりを作成してもらい(可能であれば相見積もりを取っておく方が望ましいです。),見積もりの中で一番高い金額に合わせて売買代金の設定を行い,かつ,譲渡先の会社から,譲渡元の会社へ,実際に対価の支払いを行うことが必要です。

 つまり,①商品,什器備品類,機械工具類の譲渡を行う場合,適正な金額で売買を行い,かつ,実際に対価を支払わないといけないということになります。

 次に,②事務所,倉庫等の賃貸借契約の契約者名義の切り替えについて,譲渡先,譲渡元の会社のみで決めるわけにはいかず,不動産のオーナーの同意を得てから,賃借人を変更しないといけません。

 その際,譲渡元の会社が保証金等を差し入れている場合,一旦,オーナとの間で精算をしてもらい,返金があれば,返金を受けておかないといけません。

 つまり,譲渡元の会社が負担した保証金を譲渡先の会社へスライドさせるということは,債権者を害する行為になるため,認められません。

 ただし,保証金をスライドさせたとしても,別途,譲渡先の会社から譲渡元の会社へ,保証金の精算金を支払うのであれば,何ら問題がなくなるので構いません。

 最後に,③営業権の譲渡について,そもそも,経営状態が思わしくないため,破産をするのであって,その中において,一部,事業を譲渡してまで残すというのは,利益が上がっている,将来性があるということを意味します。

 例えば,取引先を紹介して引き継いだりした場合,営業権の譲渡として,対価を算定して,かつ,①と同様,実際に対価の支払いを行わないといけません。

 その際,①との違いは,③は物ではなく,権利であるため,対価の算定が難しいというところにあります。

 通常,決算書上,3期分くらいの利益を見比べて,対価を算定することになりますが,個別に事業毎,店舗毎の収支を出していない場合,算定が難しいというケースもありえます。

 実際に,評価をどうしたらよいのかという悩ましいケースの場合,弊所までご相談頂きましたら,検討させて頂きます。

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