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従業員に対する対応

 従業員の解雇

従業員の解雇,解雇通知書作成

法人,事業主が破産手続きを行うことになった場合,雇用をしている従業員(正社員,アルバイト,パート含む)がいれば,破産により事業を廃業するため,従業員全員を解雇する手続きを取らなければいけません。

正式に弁護士へ破産の依頼をするまでの間,例えば,事前に,弁護士へ破産の相談を行い,弁護士介入日,破産準備開始のXデーが決まったとしても,事前に従業員へ知らせると混乱が生じますので,できる限り情報が漏れないように進める必要があります。

その上で,破産手続開始日には,従業員へ,破産手続きを行わざるを得ないことを説明し,理解してもらうよう努める必要があります。

この際,解雇を通知したことを明らかにするため,口頭のみならず,解雇通知書という書面を作成し,かつ解雇通知を受けたという解雇通知受領証も作成しておいた方がよいでしょう。

なお,解雇通知書,解雇通知受領書について,当法律事務所で作成,お渡ししておりますので,お任せ頂きましたら結構です。

源泉徴収票の作成

従業員を解雇する際,解雇する年の1月1日から解雇日までの源泉徴収票を作成し,交付する必要があります。

顧問税理士事務所へ作成をお願いするか,税理士費用がないようでしたら,会社代表者,事業主自ら,作成する必要があります。

未払給与,退職金,解雇予告手当の計算

従業員を解雇する際,未払給与があれば,未払給与額の計算を行い,また退職金規程があれば,退職金額を計算する必要があります。これは支払いができるかどうかに関わらず,労働債権額を把握するために必要です。

さらに,従業員を解雇する際,1ヶ月前に解雇予告をするか,即時解雇の場合,1ヶ月分の給与を支払う必要があります(解雇予告手当といいます。)。解雇予告手当は,直近3ヶ月分の給与の平均で計算を行います。

給与明細,賃金台帳,従業員名簿,退職金規程等の確保,保存

従業員関係について,給与明細,賃金台帳,従業員名簿,退職金規程等があれば,確保,保存をする必要があります。

従業員の給料を支払えない場合,国の未払賃金立替制度があり,利用をするためには,雇用関係の有無,未払賃金の有無,金額について,証拠を提出することが求められます。

また,破産手続上,労働債権額を把握するためにも必要な書類になります。

従業員の未払給与の扱い

従業員の未払給与の支払い

従業員の未払給与があれば,法律上,労働債権として優先するため,預貯金が残っていれば,支払いをしても問題がありません。従業員の方は,毎月の給料を受け取れる前提で生計を立てているため,一回分でも給料の支払いが遅れてしまうと,生活ができなくなってしまうということが少なくありません。そのため,未払給与があれば,できる限り,早めに支払いが行えるように調整をしてください。

また,未回収の売掛金が入ってくるようであれば,回収した売掛金から従業員給与の支払いを行うこともできます。

よくあるのは,最後の1,2ヶ月程度が未払いになっているというケースですが,それより以前から給料が支払えていない場合,どこまで支払いを行うかについて,個別にご相談ください。

独立行政法人労働者健康安全機構(旧:労働者健康福祉機構)

従業員への給料の支払いを行うだけの経済的な余裕がない場合,破産申立後,独立行政法人労働者健康安全機構(旧:労働者健康福祉機構)という団体から,上限,未払給与の8割まで,立替払いが受けられる制度があります。あくまでの対象となるのは,正社員,アルバイト,パート等雇用関係がある方になりますので,下請の職人への請負代金は対象外になります。

社会保険の資格喪失届

社会保険に加入している場合,事業所について,健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届,及び各従業員の資格喪失届を年金事務所へ提出する必要があります。

年金事務所へ提出を行わないと,従業員の方が社会保険から,国民健康保険,国民年金へ変更手続きを行うことができないため,速やかに行う必要があります。

離職票の作成,提出

離職票とは,解雇された従業員が雇用保険を受け取るために必要な書類をいいます。

法人,事業主は,従業員を解雇した後,10日以内に,ハローワークへ,雇用保険被保険者資格喪失届,離職票を作成,提出を行う必要があります。

その後,ハローワークから,法人,事業主へ,離職票1,2が届きますので,解雇された従業員へ,離職票1,2の交付を行います。

解雇された従業員は,離職票を受け取り,ハローワークで失業保険の手続きを行うことになります。

給与所得者異動届

従業員の住民税について,毎月の給与から職場である法人,個人事業主が天引きで徴収し,一括して,市町村に納付するという特別徴収制度が原則になっております。

法人,事業主が破産,廃業することにより,特別徴収を行わなくなるため,各市町村へ,給与所得者の異動届出書を提出し,今後,本人が直接納める普通徴収での納付手続へ変更をする必要があります。

 
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